台詞は覚えなければいけない、そうなんだけれども

こんばんは
鍛治本です。

台詞を覚えなければいけない。

現在稽古中のたすいち『ヒラエス』

先月の出演していた本番中から隙間を縫って稽古に参加していたのだが、そもそも4チームあるので、稽古日程が飛び飛び。

まだまだ本番まで時間があると思っていたら、実はもうそんなに稽古回数がないことに慌てている。

だからこそ、台詞を覚えなければいけない(2回目)

もう少し若い頃は、台本をもらったらしゃかりきに覚え始めていたけど、近年は、本当に遅い。

いや、言い訳するわけじゃないんだけど(って言って話し始める人の99.9%は言い訳を始める)、
何も台詞覚えが悪いわけじゃない。

ただ、覚え始めない、というだけ。

は?何言ってんだ、四の五の言ってねぇで覚えろよ。と思ったそこのあなたとそこの演出家諸君。

あなたが、正しい。ぐうの音も出ない。

いや、言い訳するわけじゃないんだけど(2回目)、理由があって……、覚えてしまって台詞がただの「音」になってしまうのを極力避けたいんです。本当なんです!(誰に言ってるの?)

台詞を覚えるのは俳優の重要な仕事の一つだけど、覚えたことで台詞のアウトプット方法がひとつになって、つまりただの言い回しになってしまいやすい、という感覚がある。

だから極力、台本をしっかり目で見て、文字情報として捉えている方が、情報量が多いまま、いろんな可能性を模索しながら稽古できる気がする(自分は)

覚える過程でも、やっぱり、典型的な言い回しの音みたいなものが脳内で再生されがちで、それから適度に距離を置きながら覚えると異様に時間がかかる。出来るだけ棒読みで覚えたい。

映画『ドライブ・マイ・カー』の濱口監督は、現場に来るまで役者が台詞を覚えることを禁止するらしい。

そしてみんなで感情も抑揚も入れずに、ひたすら読み合わせを繰り返し、その場で覚えてもらうやり方をしていると、著書「カメラの前で演じること」に書かれていた。

これも似たような思惑からだと思う。

とっても面白い本だったので、興味ある方は是非。

とは言いつつも、台詞は覚えなければいけない(3回目)

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