技術に逃げない技術

こんばんは
鍛治本です。

今日は、午前中、社会人(役者じゃない)の方のマンツーマンのワークショップ。

もう2年ぐらい継続してほぼ毎月やっている。
最初はあらかじめ用意された原稿を、スムーズに読む、とかはっきりと読むということが目標だったけど、続けていくうちに、読むではなく喋る、話しかける、に目標が変わっていった。

これは明らかなフェーズチェンジで、かなり高度なことをやろうとしているし、こちらも要求している。

「他人が書いたものを、自分の言葉として話す」なんて、ほぼお芝居の技術だし、実はそれがやれている人は少ないように思う。役者にとって永遠の課題だと思う。

自分自身として、自分の言葉を内側から発する、をやろうとすると、当然、その人が普段やっているコミュニケーションのくせが前面に出てくることになる。

それが、今度は逆に、クリアな発声や、発語を阻害してしまう可能性がある。

そうなると、「スムーズに読む」や「はっきり読む」ということを目的に声を出していた時よりも、なんだか後退してしまったような気がしてくるんだけど、全然そんなことなくて、大いなる前進なのである。

なんて、偉そうに語ってますが、常々、役者をやっていて向き合わなければいけないこととそのまま重なる。

滑舌よく、よく通る声で、感情が伝わりやすい表現で、台詞を喋る、みたいなことを最初は目標にしていた。

きっと、それが素敵な俳優の要素だと感じているお客さんもいると思う。俳優にもいる。

間違じゃない。けど、それだけでは足りないことに気づく時が来る。

真面目にやっていれば、上に書いたようなことは、クリアできるようになる。
鍵盤のここを押せば、この音階の音が出ますよ、みたいに、すぐできるようになる(真面目にやってれば)

でも、鍵盤さえ押せれば音楽になるわけじゃないのと同じで、技術でクリアしようとする先に本当の意味でのコミュニケーションは生まれないんだと思う。

考えれば考えるほどお芝居の難しさに直面するけど、虚構の中に真実を存在させようとするんだから、難しくて当然だよな、と毎晩堂々巡りを続けるのである。

教えてるつもりが教わることがたくさんある。

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