「グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース」

こんにちは
鍛治本です。

久しぶりのブログです。

皆さんにご声援頂きました、「グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース」、5月19日に無事に幕を下ろすことが出来ました。
ありがとうございました。

って、遅っ!!

もう終わってから、3週間経ってるやん。何してたん?アンミカさんも怒んで。流石に。

ありがたいことに、舞台が終わった直後も仕事が立て続けにあって、慌ただしい日々を送らせてもらっていて、気がついたら、これだけの時間が経っていた訳なんですが(完全なる言い訳)

それでもなんだか、ずっとモヤモヤしたものがあったというか、遅い五月病みたいな状態というか、気を抜くとぼんやりしてしまう、という感じがあった。

やっぱり、何かしらの形で、「グリマダ」のことを振り返っておかないといけないらしい。

それで、今、こうやってブログを書いているわけです。

0から作る

前回のブログにも書いた通り、グリマダは2017年に下北沢で初演している。
その公演の最中、すでにサイズを大きくしての再演の話が出ていた。

でも、具体的な時期が決まっているわけではない、あくまで出来たらいいね、の約束だと思っていた。

でも、どうやら須貝英はそうじゃなかったらしい。

虎視眈々と時期を伺い、しっかりと劇場の予約を済ませ、着実に準備を進めていた。
そして、律儀に初演メンバーにオファーをくれた。

英ちゃん本当にすごい(#有言実行男須貝英)

だけど、今回は、新作「ビショップ・マーダー・ケース」との二本立てだし、再演から加わるメンバーもいる。

初演からみんなが冗談で「座長、座長」と呼んでくれる。

そんなポジションは正直なところ存在しないわけだけど、初演から出てる身として、何かできることがあるとしたら、「まっさらな状態で、0から作り直すつもりで稽古に向き合うこと」だと思った。

もちろん、台本を読んで、その時の共演者と向き合うと、思い出してくる感情やら、情景やら、身体の状態がある。でも、それを追っていても面白くない。

せっかくの再演、せっかくの新メンバー、せっかくの違う劇場なのだから。

(ただ、それを意識すれば意識するほど、5年前の初演を意識している証拠になるわけだけど……。)

僕は、座組みの中で誰よりも台本を離すのが遅かった。
一番最後まで台本を持つことを決めていた。

早く離してしまった方が、両手も使えるし、他に気を配る余裕も増える。

何よりやる気がある人に見える(←)

でも、それをしない。
セリフを口にするたびに蘇ってくる5年前の感覚に頼りたくなかった。

でも、実は早い段階でそれは杞憂だということが分かっていた。

5年前とは、みんな全然違う。

毛利さんも、陽ちゃんも、ヨシケンさんも、ガムちゃんも、ザンさんも、小玉さんも、はるよも、野口くんも、おぐっちゃんも、そして英ちゃんも。全員。

それはそうだよね。5年の間にいろんな経験をして、役者を続けて来たんだから、同じはずがない。
続けるって本当にすごい。

再演から参加のメンバーもとっても素敵で良い刺激を座組みにたくさんくれた。
みんな大好き裕ちゃん。真面目で華やか舞ちゃん。ただのグリマダおたく角くん。最強若人彩未ちゃん。

初演と再演の自分

違うことが分かってから初めて、初演の自分を振り返った。

あの時は、とにかく必死だった。お芝居全体を自分が引っ張るんだと意気込み、これでもかと演技を繰り出していたように思う。若かったんだな。。それはそれで愛おしいんだけど。

今回は、とにかく、流れに身を任せつつ、そこに「いる」ただ「いる」

それだけを意識していた。
その流れの中で、きっと自分(サイモン)がやりたいこと、譲れないものが浮き彫りになってくる。

そうこうしていると、ラストシーン付近の解釈が、初演とは180度変わってしまった。

ラストシーン、エイミーにかけた「君を祝福するよ」という言葉。
初演時は、「呪詛」のつもりだった。
祝福し続けることで自分とエイミーはずっと鎖みたいなもので繋がって、運命を共にすることになる「呪い」になる。

でも、今回は、エイミーをその鎖から解いてあげたかった。
生まれ、からも、育ち、からも解放されて、自分の幸せの為に生きてほしい。そのために祝福する。

ただただ祝福する。

5年経つとこんなにも考えが変わるものかと、驚いた。
でも、もしかしたら、5年前からこの再演まで続いているから、そう変わったのかもしれない。
結局まっさらではいられなかったのかも。

劇中の解釈の話をするとキリがないので、この辺でおしまい。

仲間が増えた

本当に素敵なメンバーが集まった。

そして、新作ビショマダが加わったことで、仲間が倍になった。

ビショマダのゲネプロを観た時には、正直、「マズイな」と思った。

この面白い作品と対(つい)になれるものを果たして我々は作れているだろうか。

それぐらい魅力的な出演者と作品だった。

もはや「座長」なんてものは必要ない、とっても力強いチームが出来上がったと思う。

5年越しの終演

兎にも角にも、5年間、ずっと頭の片隅にあったグリマダが無事に幕を閉じた。

それは安堵すべきことでもあり、寂しいことでもある。

だから、モヤモヤとここまで引きずっているのかもな。

僕個人のことを最後に振り返ると、毎ステージ迷走していた爆

役としても役者としても。

それは今回望んでいたことでもあるんだけど、5年経っても、こうも上手くいかないものかと、笑ってしまった。

でもだから、お芝居を続けてるんだと思う。

上手くいった、なんて思った日が来たら、僕は役者を辞めてしまうかもしれない。

圧倒的消化不良を抱えながら、僕は次のお芝居に向かう。

また会えるといいな。

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