彗星のしくみ

こんばんは
鍛治本です。

『トルネイド/北条雷太の終わらない旅』は残すところあと2日となりました。

終わらない旅をしているからか、いつものクリスマスツアーより長くやっているような感覚になっていて不思議です。

東京公演なので、出演していない劇団員も続々と観に来てくれて嬉しい。
今日は初演の『レインディアエクスプレス』、そして再演の『彗星はいつも一人』で北条雷太をやっていた西川さんも来てくれました。

「あのシーンのあのあたりまでが一気に流れるから結構きついよね」と雷太をやっていて身体的精神的に大変なところを分かってくれて、「そうですよね!」と盛り上がり、西川さんが生み出して、今回の台本にそのまま反映されているセリフについて会議までしてくださいました。
劇団じゃなきゃできないこと。劇団っていいなぁと改めて思います。

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開場前の行事としてキャラメルボックスでは「気合い入れ」というのがあります。

アントニオ猪木に扮した劇団員が、出演者をビンタして気合を注入するわけじゃありません。

担当の劇団員が曲を1曲選んできてそれを劇場内で大音量で流します。
過ごし方は自由。ストレッチしたり客席をジョギングしたり、ただただじっとしていたり。

その後、静寂の中5分間のクールダウン。

そして担当の役者が「今日も頑張りましょう」的な訓示を述べた後、みんなで「よろしくお願いします!」と頭をさげ、円陣を組み気合を入れます。

今日の選曲担当が私でした。

今回は絶対これをかけようという一曲がありました。

shepherd『彗星のしくみ』

今回の『トルネイド/北条雷太の終わらない旅』のかつてのタイトルが『彗星はいつも一人』だったこともあるんですが、他の理由も。

この曲、2014年の劇団で初の主演をやらせてもらった『太陽の棘 なぜ彼は彼女を残して旅立ったのだろう』で使わせてもらった曲でした。
兄が突然事故で亡くなり、その傷を旅をしながら少しずつ乗り越えていく話。

そのエンディングでかかったのが『彗星のしくみ』でした。
すぐに好きな曲になりました。

shepherdのみなさんも観に来てくれて、終演後お会いしたら、ボーカルの中野さんが「とってもよかったです。これからの楽曲制作が変わりそうです!」と高揚した表情で話してくれました。

その2年後、2016年にその中野さんはご病気で急逝されました。

僕にはなんだかそれがとってもショックで、もっと中野さんに「この曲大好きです。曲を貸していただいてありがとうございます!」としっかり伝えればよかったと強く思いました。

それから、ともかく素敵だなと思った人、もの、曲に出会ったら素直に、すぐに伝えようと心に決めました。

昨日は、アガリスクエンターテイメントで共演した笹井雄吾くんの訃報が届いて、改めて人が生きているということ、いなくなるということについて考えたし、奇しくも劇中では不老不死の武士をやっているので人の死についてずっと考えています。

でもどこまで考えても、今日できることを精一杯やって周りの人に感謝と好きを伝えるしかない、ってとこに行き着きます。

生きることは死ぬこと。死ぬことは生きること。

明日も精一杯舞台上で生きようと思います。

彗星のしくみ、ずっと好きです。

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