ノーミーツで感じたこと(芝居の技術編その2)画角の話

こんにちは
鍛治本です。

劇団ノーミーツ「むこうのくに」でオンライン演劇をやって役者の目線から感じたことや、試したことを書いています。

もうしばらくお付き合いください。

前回は主に「音のタイムラグ」の話でしたが今日は、「見え方」、「画角」の話をしようと思います。

いかに自分に与えられた窓(画角)を生かすか

みなさんご存知の通り「むこうのくに」でやり取りに使われているのは、会議アプリのzoomです。

おそらく、今行われているオンライン演劇のほとんどがこのzoomアプリか、それに近い形式のもので作られています。

なので、役者の全身が映るように作られていません。

もちろん、かなりの距離離れたり、カメラのレンズを工夫すれば、ある程度全身を映すことは可能だし、「むこうのくに」でも、役者全員の配信環境を調べて、画角を検討したり、カメラを駆使したりして、色々な画角の工夫が施されていました。

ただし、複数での会話では、画面自体が分割され一人当たりが映る面積は小さくなるし、しっかりと会話でやり取りしようとすると、やはり上半身がメインに映っている状態になることが多い。

その中でいかに動きを出すかってことが、重要になっていきました。

バーチャル背景を使うとなおさら奥行きが表現しづらくなる

僕が担当していたバトラーという役は、オンライン世界「ヘルベチカ」の住人。

背景もその世界観に合わせてバーチャル背景を主に使います。

そうなると、なおさら奥行きが感じられなくなりました。

なので、出来るだけ平面での動きをメインに、セリフを喋りながら横方向に動いたり、縦方向に画角からはみ出したりしながら、パソコンの前に座って喋っている(会議スタイル)を感じないように工夫する方向で作っていきました。

全体図が見えてきてからの発見

本番、1週間前。

配信画面における背景。
つまり、僕たちが主にお芝居する「ヘルベチカ」の景色が明らかになりました。

その背景自体が3Dで構成されていて、奥行きを感じられるものになっていて、その中で自分たちの画面が合わさって見ると、むしろ、それぞれの画角の奥行きがあんまり関係なく僕には感じられました。

ただその代わり、人物自体の「寄る」「引く」はとても有効で、上下左右の動きに加えて、リアクションや感情に合わせて「寄る、引く」もそこから積極的に取り入れるようになりましたとさ。(めでたしめでたし)

視線や顔の向き問題

普通、zoomでは、自分が分割画面のどこにいるのか、固定されていません。

どいうことかというと、例えば6人(6分割)で話していて、自分が見ている画面では、自分が一番左上にいるとしても、他の人の画面では、全く違う位置に見えていたりします。

なので、目線を合わせる(みんなが誰か一人の方に視線を集中させている図を作る)というのは、結構難しかったりします。

しかも、オンラインで画面越しとはいえ、やっぱり会話の相手を見てお芝居した方が、やりやすいに決まってます。

そうすると、zoomであるという前提で、視線がバラバラであってもそんなに違和感が出るものではありませんでした。

ところが、今回は、zoomにOBSというシステムを組み合わせることで、自分が映っている場所は固定され、しかもそれを実際に配信画面を見ることで、確認することができるようになりました。

ただ、前述の理由から、今回も、特に、視線を統一するということは稽古中ありませんでした。

配信画面で見たときに、話しかける相手の方を向いているように見えるやり方じゃなくて、あくまで、自分の画面に映っている相手役を見てお芝居をするということです。

zoomでのやり取りと経験したことがある皆さんも多いことから、そのやり取りの方が、自然に見えるのかもしれません。

自分のキャラクターがどこを自分の世界と感じているか

ただ、稽古が進んで、役作りしていく中で、ヘルベチカというオンライン世界に自分の充実を感じて、そこでの生活を現実よりも大事にしているバトラーという役がどう振る舞うか考えていったときに、自然と配信画面、つまり「ヘルベチカの背景と共に、画面上に映っている自分こそ本当の自分である」としたい感覚が自分の中にあって、結果それに従って、出来るだけ(大事なところは確実に)、画面に準じた体の向き、視線でお芝居するようになっていきました。

↑この写真も「画面右上」というセリフに対して、演技する時は「左上」を指さないといけなかった。

↑「相棒」の話を刑事がしている時に、どうしてもピコの方を向きたくなってやっていた動き。
ただ動作としては、全く逆を向いています。

これは、役者として、出来るだけ自分の言動に無理なく役を演じるという点からしたら、無理がある動きではあるけど、画面のむこうがわに、真実があると感じている生身の人間(バトラー)の欲求としてはどうしても叶えてあげたいところでした。

上演中、それぞれの役者が、どういう法則で画面越しに相手を見て会話しているのか気になった方もいたかもしれませんが、一応の法則というか信念があったということは、ここに記しておこうと思います。

これはみんなで話し合ったというより、各々が考えてそうなっていったもので、そこに著しく不都合や、齟齬が生じていたら、演出からの整理があったり、僕からコンセンサスをとる提案があったかもしれません。

でも、こういうのは、ちょっぴり秘密でやってる方が、楽しかったりもします。

気づく人がいたら楽しいなぁ。と。

二回に分けて、オンラインならではの音と見え方について書いてきました。

稽古中に思ったことはもっとたくさんあった気もするので、また思い出したら書こうと思います。

次は、制作的な面、広告的な面で感じたこと、これから演劇でも見習えるんじゃないかと思ったことを書いていきたいと思ってます。

それでは、また。

「むこうのくに」の裏側を収録した映像はこちら



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