こんにちは
酒場放浪鍛治本です。
昨日は夕方から、所属事務所の養成所アニモアクターズソースのお手伝い。
授業が終わって、数名でご飯を食べに行った。
当初のお目当だったお店が満席で、少しウロウロとお店を探した。
近くに、ご夫婦がやっている居酒屋を発見。
外から見ると、席も充分に空いてる。
ここなら大丈夫だろうと、中に入って確かめた。
店内には、大きなテーブル席が二つ。その隣には通路を挟んで二人がけの席が三つ。
空いている大きなテーブルを指し示し、女将さんに尋ねた。
「あの、七人なんですけど、このテーブルに座ってもいいですか?」
「いいですけど……。」
ちょっと渋い表情。予約でもはいってるのかな………。
「そこに七人は、狭いんとちゃいますか?隣の二人がけの席も使った方がいいと思いますけどねぇ、なんなら荷物も預かりますし、いやぁ、狭いと思うわぁ。どう考えてもせまいわぁ……」
(注;これから先の関西風の喋りは僕のおぼろげな記憶を頼りにしていますので、おかしいところは大目にみてちょ)
これは………どっちだ?
歓迎してくれているのか……、それとも、この時間からその人数来るのかぁということなのか。相変わらず女将さんの表情は渋めだ。
一体これはどっちなんだ?!
日頃から鍛えている僕の居酒屋レーダーが激しく回り始めた。
個人でやっているお店は、かなり「相性」が重要になってくる。
どうせなら、楽しく飲みたいし、美味しいご飯が食べたい。
愛想は悪いけど、とびきりの逸品を出してくれるお店もある。
でも、あくまで個人の好みの問題だけど、接客にも食べ物にもやる気が感じられず残念な思いをすることもある。
でもだからこそ、個人店との出逢いは一期一会で面白い。
ファーストインプレッションでは、五分五分。
判定が難しい。
ええい!いいやと、入ってみることにした。
その時点では、先発隊の三人で入店。
「はい、分かりました。でも狭いと思うわぁ。この後どんなガタイの人がくるんかしらんけど………」
依然女将さんの表情は渋め。
僕の居酒屋ライフも依然予断を許さない状況だった。(そこまでか)
でも、全くの杞憂だった。
先発隊で焼き鳥を注文し始めた。
「ええの?後の子らは待っててあげんで」
あ、いいですいいです。来たらまた好きなの注文しますんで。
「そーお………。でも可愛そうやわ………」
あ、じゃあ、人数分頼んどこうかな。
「焼き物は温かいうちに食べるのがええ。冷めたら可愛そうやわ。それに、そんなにいっぺんに頼んで美味しくなかったらどうすんのよ?」
どっち!笑
それにそれに美味しくないなんてことないでしょう?
「いや、初めて来たお店をそんなに簡単に信用したらあかん。出してから不味いって言われてもおばちゃん責任とれんで」
一事が万事そんな感じだった。
僕の文章力に限界があって上手く伝わらないかもしれないけど、
女将さんは全てに真剣に答えてくれているのだ。
と見せかけて、渋い表情のまま冗談も織り交ぜてくる。
そのせいで飲み物を作る手がいちいち止まる←
僕なんて完全に手の上で転がされていた。
この人は、お酒強いからまだ大丈夫。この人はあんまり強くないから薄めでと、お酒の差配をしていると、
「あんた、初めて来たお店でそんなことバラしたらあかん」
女将さん御出身はどちらなんですか?と話かけると、
「そんなん簡単に教えるわけないやろ」とスルーされ、
終盤には「大体、お兄さん、お店入って来た時オーラ出しすぎや」といじられ、
出してない出してない!と否定すると(出してたのは居酒屋レーダーだけ)
「あんたはほんまにシャイやな。お酒で顔色ひとつ変わらんのに、今顔が真っ赤やで。普段、気を使いすぎとちゃうか?」
初めて来たのに全部見破られている……。
「でも、飲み過ぎには気をつけんといかんよ。だから、ゆっくりと飲み物だしてたんやで」
ありがと、女将…………。
でも飲み物が遅いのは話に全部入ってくるからだよね!笑
本当に僕らの話をよく聞いていて(僕らが声がでかいからってのもある)、後から話を絡めてくる。
「作業しながらなんでそんなに聞こえてるんですか?」と訊いてみた。
「そりゃあたしらの仕事は『音を拾う仕事』やからな。」と名言を頂いた。
きっとまたこのお店に行くことになると思う。
それまでにオーラをもっと強めておきたいと思う(いじられる気満々)
[…] 酒場探訪記 […]